座標変換作業はお済みでしょうか?
なぜ、今 座標変換するの?
現代社会においてGPSやGISは、あらゆる分野で普及し、利用範囲が拡大し続けています。このため、位置の確認等は世界レベルでの関連づけが高精度で可能となり、国内の基準点も「世界測地系」に統一するための法改正が平成14年4月に行われました。これに伴い、早い時期に既設・新設を問わず、基準点成果を世界測地系に改正する必要があります。
※これまでの基準に基づく地球の直径より、約1,480m大きいことが分かりました。
日本測地系との差はどのくらい?
世界測地系は、日本測地系と比較して緯度で約12秒、経度で約-12秒の差が生じます。
この差は、地域によって少しずつ異なります。
標準的な座標変換の概要
- 公共測量による基準点成果の座標変換
- 座標変換プログラム(TKY2JGD)を利用した座標変換
基準点の成果値を用いるため、最も簡便な方法の座標変換です。 - 設置当時の観測値を用いた再計算(改算)による座標変換
基準点の設置当時の観測値を用いて再計算します。 - 既設基準点の再測量(改測)による座標変換
電子基準点・既に座標変換された基準点を既知点として再測量を行います。 - 地域毎に適合した変換パラメータによる座標変換
基準点の一部について、改算や改測(2の方法及び3の方法)を行い、同地域内の未変換の基準点を簡便に行う方法の座標変換です。 - ※基準点成果の座標変換は、基準点の設置状況等により変換手法が異なりますので、現地の状況を十分把握して、対応する必要があります。
- 座標変換プログラム(TKY2JGD)を利用した座標変換
- 地形図等成果の座標変換(紙地図)
- 図郭四隅及び方眼線の座標を修正する方法
図郭四隅、方眼等の座標値及び経度・緯度の数値を座標変換して修正する。 - 図郭四隅の座標及び方眼線等の位置を修正する方法
図郭四隅の座標変換を行い、方眼線等の位置を座標値の端数の付かない位置に展開して、図郭四隅の座標値と方眼線の位置の修正をする。また図郭四隅付近で端数の付かない経緯度の位置にティックマーク及び経緯度を表示する。 - 図郭割りを変えて図郭線を変更する方法
- ※座標変換の計算はTKY2JGDプログラムを用いて行います。利用目的・効果等を考慮し、 修正する必要があります。
- 図郭四隅及び方眼線の座標を修正する方法
- 数値地形図成果の座標変換
変換方法は、変換する対象地域の範囲の広がりや、地図情報レベルにより変換方法を決定し、変換プログラムは「DM Convert」(国土地理院が作成)の使用を標準とする。 - その他の成果(応用測量等)の座標変換
この変換については、路線測量・河川測量・用地測量等がありますが、各測量成果の座標変換は(1)~(3)の規定に準じて行うことになります。
座標変換作業での公共測量の手続き
世界測地系による効果
- 測量の高精度化
近隣地区と都市基準点網との間で生じていた測量誤差も解消されます。また、基準点成果の活用も一層促進され、測量の高精度化が図れます。 - 測量コストの縮減
電子基準点を利用することで、従来必要であった既知点の観測は省略でき、測量の形態も変わります。このため作業の効率化が図られ、測量コストの縮減になります。 - GISの導入
世界測地系への移行が進めば、様々な情報を各部門が共有することによりネットワーク化されます。このためGISの導入の足掛かりとなります。
世界測地系への最近の主な座標変換実績
※実施都市名 実施地区名 (発注者名)
- 滋賀県大津市 伊香立地区 (都市機構)
- 兵庫県神戸市 神戸学園南地区 (都市機構)
- 秋田県 湯沢地区 (国土地理院)
- 秋田県、山形県 本荘中央地区他 (国土地理院)
- 千葉県 木更津地区 (都市機構)
GPS測量の最近の主な実績
※実施都市名 実施地区名 (発注者名)
- 兵庫県神戸市 北神戸第二・第三地区 (都市機構)
- 兵庫県三田市 北摂(住宅)地区 (都市機構)
- 福島県 磐梯、葛尾、鹿島地区 (国土地理院)
- 福島県 舘岩、只見地区 (国土地理院)
- 宮城県 青葉地区 (国土地理院)
- 秋田県 湯沢地区 (国土地理院)
- 東京都 葛飾地区 (都市機構)