我が国では、毎年のように全国各地で様々な自然災害(地震、台風、豪雨、土砂崩れなど)が頻発し、甚大な被害が発生しています。
このような状況において、当社では、既成市街地における密集市街地の改善やスーパー堤防との一体的なまちづくりなど、
防災・減災に向けたまちづくりの支援を進めています。
また、東日本大震災や豪雨災害などの復旧・復興に向けた取り組み支援を行っています。
地震時等に著しく危険な密集市街地が全国に約6,000ha存在しています。これらの市街地については、延焼危険性や避難困難性が特に高く、地震時等において最低限の安全性が確保されていない著しく危険な状況となっています。
国では、最低限の安全性を確保することを目標に密集市街地の整備改善を推進しています。
整備改善に向けた取り組みとしては、「道路等の整備」、「道路沿道建築物の不燃化」、「建築物の建替えによる不燃化」、「従前居住者用住宅の整備」、「老朽化建築物の除却」、「公園・空地の整備」、「避難路の確保」、「広域的避難場所の整備」が挙げられます。
スーパー堤防(高規格堤防)は、現在の堤防から市街地側に堤防高さの約30倍程度の幅にわたって盛土を行った幅の広い堤防のことで、万一、大洪水によって水が堤防を越えても水は斜面をゆるやかに流れ、堤防の決壊による壊滅的な被害から街を守ることができます。
スーパー堤防の整備は、沿川地域のまちづくりと一体的に行う必要があり、整備により河川への親水性の向上や潤いのある都市空間の形成にも大きな効果があります。
2011年3月11日に発生した東日本大震災では、多くの人命や財産が失われ、東北・関東地方の太平洋沿岸部を中心に壊滅的な被害が発生しました。
当社では、この大震災が発災した直後から、早期の復旧・復興を目指して、国や関連団体との検討を進め、その後、いくつかの地方公共団体において、現地に入り、地元住民に寄り添いながら、将来の地域の復興に向けた事業の推進に取り組んでいます。
我が国では、自然・地形的条件から様々な災害の発生しやすい特性を有しており、毎年のように水害・土砂災害、地震・津波等の自然災害が発生しています。
当社においては、これら自然災害に応じて地域の被災状況等を勘案しながら、地域の復興に向けた取り組み支援を行っています。
篠崎駅西部地区[東京都江戸川区](修復型/連鎖型土地区画整理事業)
江戸川区篠崎駅西部地区では「修復型の区画整理」として、全面更新型の区画整理ではなく、必要最低限の基盤整備と土地利用の敷地整序を行い、比較的緊急性が低い道路は、地区計画等で整備計画を担保し、建物の建て替えに合わせて段階的に整備するスキームをとりました。
また、本地区においては、地域の意向との整合性を図りながら、住民の合意形成が図られたエリアから段階的に事業認可を取得できる「連鎖型土地区画整理事業」の導入を図り、本地区を含め4地区で地域課題に応じた様々な取り組み、工夫がなされ、事業認可を取得しています。
当社が長年関わってきた本事業は、「平成21年度土地活用モデル対象国土交通大臣賞」を受賞しています。
新中町通り線・周辺地区[千葉県浦安市]
千葉県浦安市の堀江・猫実元町中央地区は、浦安市が1992(平成4)年度から10年がかりで行政主導のまちづくりを試みていましたが、住民の理解が得られず難航していた地区です。
当社では、2004~2005年度にかけて住民と行政の協働による「まちづくりを考える会」「道づくりを考える会」などの話し合いを支援し、その結果を2006年、「まちづくり計画書(提言書)」として浦安市長に提出しています。
計画の具体化に向けては、同年、「まちづくり協議会」を設立して住民の意見を汲み取りながら「まちづくりプラン」を作成し、多数の賛同が得られました。2008年にはついに都市計画決定がなされ、土地区画整理事業の事業認可となりました。
本地区の一部である堀江・猫実B地区は、「平成28年度まちづくり月間まちづくり功労賞国土交通大臣表彰(国土交通省)」及び「平成17年度第40回土地区画整理全国大会会長賞(街づくり区画整理協会)」を受け、当社ならではの強みを活かした合意形成の事例となっています。
芝第2・5地区[埼玉県川口市]
本地区は、面積42.8haの区域で、昭和38年8月に土地区画整理事業の都市計画決定がなされてから概ね50年が経過した長期未着手地区となっています。
本業務では、長期未着手地区の改善を図るため、地元住民とまちづくり勉強会を立ち上げ、ワークショップを実施しながら、まちの課題抽出、まちの将来像、整備目標、まちづくりプランの作成、優先整備区域とその他の区域のまちづくりの進め方、多様な整備手法による整備等をとりまとめた「まちづくり提案書(案)」を策定しました。
《技術的特徴》
(1)住民参加による長期未着手地区におけるまちづくり提案
(2)優先整備区域とその他の区域の設定
(3)多様な事業手法を組み合わせて将来像を実現
上篠崎一丁目北部地区[東京都江戸川区]
本地区は、都営新宿線篠崎駅から徒歩圏にあり、都立篠崎公園、江戸川緑地、浅間神社特別緑地保全地区など緑に関する都市施設に囲まれた地区となっています。一方で住宅地においては、4mに満たない行止りの私道に老朽化した木造家屋が密集しており、防災性・安全性の面から早期の改善が必要になっています。
また、本地区とその周辺には、東京都や江戸川区の地域防災計画において災害時の避難場所、活動拠点に位置付けられている都立篠崎公園の再整備をはじめ、都市計画道路補助第288号線、第13号江戸川緑地の整備や江戸川高規格堤防整備事業が予定されています。
本事業は、これらの広域的な防災性の向上や、安全性・快適性の向上を図る基幹的な都市施設等の整備に合わせて、地区内の道路等の都市基盤の整備を行うとともに、二つの区域において一体的に土地の交換と住宅街区の形成・整備を行うことにより、住環境の改善を図り、災害に強く安全・安心であり、水と緑に親しむ快適なまちづくりを目的としています。
大和川沿川高規格堤防化モデル市街地整備検討
本調査は、国土交通省大和川工事事務所管内の大和川高規格堤防整備区域のうち、優先度が高い柏原市、藤井寺市、八尾市の三市にまたがる右岸上流部において、現況沿川市街地の基礎的条件を調査・整理し、それを踏まえて区分したゾーンごとに高規格堤防との一体整備を行う面的手法を想定し、事業化に向けた課題の検討・整理を行いました。
さらに特に優先度の高いエリアをモデル地区とし、高規格堤防との一体整備を前提とした土地区画整理事業の基本的な設計を行い、事業化に向けた課題等の検討を行うことにより、今後の高規格堤防整備の事業推進に資することを目的としています。
栗橋地区・栗橋北二丁目地区[埼玉県久喜市](個人・共同施行)
栗橋地区(埼玉県栗橋町(現久喜市))は、旧日光街道の宿場町として栄えてきた歴史ある既成市街地で、地区内には八坂神社や水塚、関所跡の碑や日光街道沿いの歴史ある建物が点在し、旧日光街道沿いに商店街が形成されていました。
栗橋地区では、隣接する利根川において、国による首都圏氾濫区域堤防強化対策を図ることから、有識者による基本構想案を複数案(堤防強化事業改良案、暫定スーパー堤防事業案)策定し、地元住民の意向を反映して、堤防強化事業改良案で進めていくことに決定しました。
このような状況を踏まえ、栗橋地区の一部である栗橋北二丁目地区においては、地域の歴史文化資源である八坂神社の保全と防災公園を整備として、土地区画整理事業により、堤防上に八坂神社の嵩上げ移転を図り、防災公園を整備するとともに、市街化区域から市街化調整区域に編入した地区であります。
安渡・赤浜・吉里吉里・町方地区[岩手県上閉伊郡大槌町](大槌町施行)
2011年3月11日に発生した東日本大震災津波により、大槌町では、死者行方不明者約1,300名が犠牲となり、約4,400棟の家屋が損壊を受け、壊滅的な被害を受けました。
当社を含む3社設計共同体では、大槌町全域の復興計画を請負い、地域の復興に向けて、震災復興土地区画整理事業や津波復興拠点整備事業、防災集団移転促進事業などの事業支援に取り組みました。
なかでも、町の中心的な都市機能が集積していた町方地区(29.7ha)においては、都市再生機構からの発注により、震災復興土地区画整理事業等の当初立上げから完了までの事業支援を行い、2019年には換地処分しています。
また、安渡地区(6.0ha)、赤浜地区(6.5ha)、吉里吉里地区(8.4ha)の3地区においても震災復興土地区画整理事業を支援し、権利調査、測量、都市計画決定、基本計画、事業計画、換地、補償、地元対応、用地取得支援などの業務に取り組んでいます。
魚町・南町地区[宮城県気仙沼市](気仙沼市施行)
本地区は、市内各方面からの交通結節点であるとともに、古くからの商業集積地として栄えてきた気仙沼市の中心市街地が形成されていましたが、東日本大震災による津波被害により甚大な被害を受けています。
そのため、復興事業として進めている土地区画整理事業と盛土・嵩上げにより、市街地の復興と産業及び観光の再生と安全な市街地形成を図ることを目的としています。
当社は、被災市街地復興土地区画整理事業の施行者支援(4社JV)を行っていました。
【事業概要】
事業名称:気仙沼都市計画事業魚町・南町地区被災市街地復興土地区画整理事業
施行者:気仙沼市
地区面積:約11.3ha
地権者数:350人
計画人口:約527人
大船渡駅周辺地区[岩手県大船渡市](大船渡市施行)
東日本大震災での大津波により壊滅的な被害を受けた大船渡駅周辺地区においては、被災市街地復興土地区画整理事業及び津波復興拠点整備事業の実施により、地盤の嵩上げを行い、安全な市街地形成を図るとともに、道路・河川・公園などの公共施設の再整備と商業の復興を目指しています。
本地区では、大船渡市復興計画(2011年10月策定)に基づき大船渡駅周辺の早期復興を目指す「津波復興拠点整備事業(2.3ha)」と広範なエリアの復興を目指す「土地区画整理事業(33.8ha)」において、5社JVにより復興CM方式を活用し、設計・施工を包含する一体的業務を遂行しました。
【事業概要】
事業名称:大船渡都市計画事業 大船渡駅周辺地区土地区画整理事業
施行者:大船渡市
地区面積:約33.8ha
地権者数:530人
計画人口:730人
青井地区[熊本県人吉市](熊本県施行)
令和2年7月豪雨による球磨川の洪水に伴い、本地区を含む市街地の広範囲が甚大な浸水被害を受けました。人吉市では被災からの1日も早い復旧・復興を果たすため、人吉市が策定した「人吉市復興まちづくり計画」では、復興まちづくりの目標として“青井阿蘇神社を中心とした歴史文化・賑わいの形成”を掲げ、良好な市街地の形成を目指しています。
本地区は、この復興まちづくりの目標を実現するため、土地区画整理事業の実施により、避難路・緊急輸送道路としての都市計画道路等や一時避難場所となる公園の整備を行い、防災性の向上を図るとともに、宅地造成及び公共施設の整備改善による未接道宅地や生活道路等の住環境の改善、賑わいの創出のための拠点整備等により宅地の利用増進を図り、被災市街地の復興を図ることを目的としています。
紺屋町地区[熊本県人吉市](人吉市施行)
人吉市では、令和2年7月豪雨による球磨川の洪水に伴い、本地区を含む市街地の広範囲が甚大な浸水被害を受けました。人吉市では、この水害被害の復興を進めるため、令和3年7月に約21haの区域について被災市街地復興推進地域としての都市計画決定を行った。その中の約1.2haの区域については、令和4年6月に被災市街地復興土地区画整理事業の都市計画決定を行い、令和5年3月に人吉都市計画事業紺屋町被災市街地復興土地区画整理事業の事業認可を受けた。
本地区は、既存生活道路を避難路として改善し、未設道宅地のための新たな区画道路の整備を図るとともに、一時避難場所となる公園の整備を行う。また山田川河川改修事業に併せて沿川の土地活用の向上を目指し、まちの防災性・安全性の向上を図りながら、温泉街周辺にふさわしい賑わいを創出して、被災市街地の復興を図ることを目的としています。
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